2015/12/18

ピアノ

子どものときに姉がピアノを習っていたので、家にはピアノがあった。だけど、オレが触ると怒られるし、どちらかというと外で体を動かす遊びが好きだったのであまり触ったことはなかった。それに、子どもの頃はなんとなく女の子の楽器という感じがして興味がわかなかった。

日本人は他の国々にくらべて、やけにピアノの音とフェンダーローズのような電子ピアノの音が好きだという。一昔前に大流行したジャズとはずいぶん違うJazzy HIPHOPというもののほとんどが、単純にピアノかフェンダーローズでループを作ったHIPHOPという感じだったけど、あの類の音が日本人には響きやすいのだという話をどこかで耳にした。

ギターでコード理論を学んだので、ベースは弾けるけど、鍵盤はあまり上手く弾けない。コードを押さえるくらいしかできない。今まではそれで問題無かったし、日本人が好むとか聴いたらなんだか反発したくなってしまっていた。

でも、ピアノやローズへの憧れはなぜか漠然とあった。多分学生時代にセッションしてくれた先輩がかっこよかったからだ。それまでに出会ったたいていの鍵盤を弾く人は、育ちが良く、クラシックピアノを好み、吹奏楽部で演奏し、もっさりした服装で、いわゆるストリート感がない感じの人が多かった。でも、その先輩はその真逆で、めちゃくちゃ格好良かった。あんな風にピアノを弾けたらなぁとよく思う。

今回のアルバムにはどうしてもピアノの音が欲しかったので、初夏から夏にかけて録音した。自分の好きなお友達のピアニスト2人に演奏をお願いした。一人はどちらかというと理論的なピアニストでポップスのシーンで活動してきた人、もう一人はコードのことを一切知らない、どちらかというとパンクシーンで活動してきた人。どちらのピアノも素晴らしいし、色が違って好きだ。

とにかく次のアルバムには、ピアノをループではなく曲の頭からおしりまで通しで録音したものが2曲入る予定だ。