2015/12/17

歪み

パンクやハードコアばかり聴いてきて、ギターは歪んでなんぼでしょと思っていたはずが、高校生の途中でブラックミュージックが好きになってからは、ギターの音はクリーンが好きになった。

コーラスも好きじゃないし、ディストーション、オーバードライブ、FUZZとかごちゃごちゃしててもってのほか。
アンプ直でリーバーブのみかける。もしくはワウのみ。そういう風にギターを弾いてきた。
Wes MontgomeryのFULL HOUSEというライブ盤や、JBの in the jungle grooveとか、マリーナ・ショウの歌うfeel like making love、マービン・ゲイ、ダニー・ハサウェイとか、多くのFREE SOULの盤に聞こえるような、そういうギターが好きになってからはエフェクターへの興味はまるでなくなっていった。

いや、むしろディストーションギターがあると聞いていられないみたいな時期もあった。
アイズレー・ブラザーズのサマーブリーズのギターとかでさえ、うっとうしいと思ったりしたこともあった。

それが突然、歪んだギターが嫌いではなくなった。ほんとに突然。
理由は単純で、今回のアルバムにはギターを沢山入れてみようと思ったからだった。

最初はフルアコでワウとクリーンのみでギターを弾いていた。それが、たまたまギターを倒してしまいネックがポキッと折れてしまった。しかたなく、少し前にたまたま中古楽器店でビビっと来て衝動買いしたFender Mexののストラトを弾くと、シングルコイルの線の細さが気になる。それで、エフェクターを試し始めることになった。家にあるほとんど唯一の高校生の頃に買ったPROCOのRATというディストーションを繋ぐと、ちょっと求める音に近づいた。そのあたりから歪んだギターも急激に好きになった。

そうなると昔は毛嫌いしていた歪んだギターのロックもずいぶん聴くようになってくる。むしろ新鮮に感じる。そんなことがあって、今は90年代の踊れないようなロックばかりを聴いている。

そして、アルバムのトラックには歪んだギターが多く入ることになった。