2015/12/16

『SNAP&POINT&SHOOT』

もうすぐ、写真を撮り始めて2年になる。

まさか、個展をひらいたり、プリントを買ってもらったり、写真の連載が始まるなんて思いもしなかった。運が良かったし、周りの人に恵まれている。

写真を撮り始めた理由は、個展をやらせてもらったときのステイトメントに書いてあるので、ここには書かない。

最初は自分が好きなフィルムをみつけたいと思って片っ端から試していった。安いものから髙いものまで買いまくったけど、結局気に入ったのは一番安いフィルム。高いフィルムよりも、いかにも"フィルム"って感じがしてとても好きだ。高いフィルムはデジタルに近づく感じがする。

次にやったのは、知り合いのフォトグラファーにかっこいい写真家、オレが好みそうな写真家を教えてもらいメモして、そのメモをたよりに当時まだ開いていた恵比寿の写真図書館で一日中見てみるということだった。ほとんどかっこいいと思えるものは少なかった。

結局、いろいろ見て手元に欲しいと思ったのは3冊だけ。
OFWGKTAの『GOLF WANG』
荒木経惟の『陽子』
nick zinnerの『I Hope You Are All Happy Now』

この3冊は何も知らない自分にもかっこいいと思えた。しかも普通に買える値段だった。


写真を撮ることは楽しい。記憶を焼き付けていくようで、構図とかにその時の気持ちが乗る気もする。「オレならこうやるのに」って思うことをひたすら黙々と撮影しているだけだから、写真の歴史を知っているわけでもないし、有名な写真集を知っているわけでも、持っているわけでもない。
それでも、撮り続けていると色々なことに気がつく。
自分の好きな光、場所、色、人、もの。自分では写真を撮らないくせに、「フィルムじゃお金がかかるでしょ?」ということばをやたら言ってくる人も多いことにも気がついた。また、写真ではなくカメラ自体が好きな人もいるのだと気づいた。(こういう人は90年代だったら、コーディネートではなく、ジーパンのみにだけ凝ってた人なのかもと思ったりもした)

思ったより、自分の周りには昔写真をやっていたという人が多いことも分かった。そういう人は色々教えてくれてやさしい。たまに古い期限切れのフィルムをくれたりする。
それから、「写真にはストーリーがある」とかよく言われることけど、実際は「写っているものとは違うストーリー」も鮮やかにその場所にあったということに気づかされる。あたりまえだけど写真はその一部だと思った。


それで、そういう写真の曲を作ってみようと思った。
『SNAP&POINT&SHOOT』というタイトルにした。